一人親方労災保険は短期加入できる? 短期加入のメリットデメリットを解説!

建築関係の一人親方として活躍する方々にとって、労災保険への特別加入は必要になります。ですがこの特別加入は義務ではないので、実際に加入していない方もいるでしょう。現場や作業内容によっては、労災保険への加入をしていないと従事できない業務もあるので、加入を迫られる場面もあります。一人親方の中には、その限られた業務に従事する為に

  • 一時的に労災保険に加入したい

と思っている方もいるのではないでしょうか。ここからは一人親方は労災保険に短期加入は可能なのか、その加入はどのような形で行うのかとその注意点について説明していきます。

一人親方労災保険は短期加入できる!加入方法は?

さてここで、先ほで少し述べた短期加入について掘り下げていきましょう。一人親方の労災保険の短期加入は下記の3パターンあります。

  • 短期加入パターンに加入する
  • 月払いの組合に加入する
  • 通常の組合に加入する

結論からお伝えすると、一人親方の労災保険はこの3パターンを使った短期加入が可能です。長期に渡って労災保険に特別加入している方にとっては関係ない話と思うかもしれませんが、そんな方でも今後役に立つ情報ですので、ぜひ一緒にこの機会に3パターンについて掘り下げていきましょう。

月払いの組合に加入する

一人親方保険に特別加入する際は、加入する期間の保険料や組合費を加入時に支払うのが一般的な形式です。しかし加入団体によっては、月払いで支払いを行う事ができる団体があります。月払いを選択した場合、必要となる期間分加入し不要となる月に脱退することで、任意の期間分加入することが可能です。この方法を使えば、期間中に払い込んだ金額の保険料や組合費の返還手続きも必要ありません。

短期コースを選ぶ

一般的に一人親方の労災保険は、一年間を一単位として年度毎に加入する場合が多いですが、加入団体によっては一ヶ月単位で加入可能で月単位で加入月数を選択する事ができる団体があります。その代わり組合費等の金額が割高になってしまう可能性もあります。ご自身の業務スタイルにあった加入コースがあるか確認して加入するようにしましょう。また短期コースの場合も各月振り込みを選択した場合は銀行やコンビニに行く手間が増える場合もあるのでその点も把握しておきましょう。

通常コースを選び途中脱退する

一年間を一単位として加入する事が多い一人親方労災保険ですが、途中脱退も可能です。そのため、年間で加入している通常の組合の一人親方労災保険でも、不要となる月に脱退すれば事実上期間を定めて労災保険に加入する事ができます。しかしこの方法は注意が必要で、例えば未経過分の保険料について返還手続きを行う必要があり、団体によって返還されるタイミングは違います。また組合費や手数料については、組合によって返還もされない場合もあります。短期加入する場合、このパターンを選択するとデメリットも発生する事もあるので、上記に挙げた二パターンを選ぶようにした方が無難でしょう。

一人親方労災保険に短期加入するメリットとは?

一人親方労災保険に短期加入する際のメリットは果たしてあるのでしょうか?結論からお伝えすると、あります。冒頭でも話させていただいた通り、現場や業務内容によっては加入団体への加入が必要不可欠の業務内容があり、それ以外の期間の加入の必要性がないと判断する一人親方の方にとっては、加入団体への支払いを抑える事もできます。また短期加入することによって、それぞれ特徴の違う加入団体の保険内容同士を比較してみたり、確認と検証をする事もできます。以下では、より詳しくこのメリットについて掘り下げていきましょう。

保険料の支払いを抑えられる

先程もお伝えしましたが、短期加入をする最大のメリットは一人親方保険加入団体に加入していない期間の費用を抑えられる点です。一年を通して保険に入ってない状態で受注できる業務の方が多い場合、そちらの方が安く済ませる事ができ、必要な期間だけ加入する事で金銭面での小の余裕も生まれると思います。コスト面の削減にも繋がり、例えば年間でかかるはずの費用が一ヶ月から二ヶ月の出費で抑えられるのなら年間で考えれば大きなメリットといえます。

労災保険加入が必要な現場にも入ることができる

2つ目のメリットは冒頭でもお伝えした通り、労災保険に加入していないと担当できない現場もあるため、そのような現場でもはいれるということです。そもそも発注する元請け業者は、労災保険以外にも国土交通省の策定する「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」を元に発注を依頼しています。このガイドラインには、業務に関わる元請の業者、下請の業者の両者が順守しなければならない記載がなされています。元請け企業は担当している現場に関して、下請企業よりも広い権限や責任を請け負っているため、元請の業者さんの意向に沿って、労災保険への加入を検討しましょう。

一人親方労災保険に短期加入するデメリットとは?

ここまで労災保険の短期加入のいいところをお伝えし、メリットを執筆してきましたがその反面デメリットも存在します。労災保険の保険料等の支払額が少ないという理由で加入し、良いところにばかり目が行きますが、労災保険の短期加入には大きな落とし穴もあります。

業務上でこれまで怪我や事故に遭っていない一人親方の方で、工事現場の管理をしている元請業者の指示通りに短期加入を検討している方にもわかりやすく説明していきます。

事故があった場合に、労災の認定審査が厳しくなる

労災保険への短期加入の場合、また短期加入を複数繰り返している場合、万が一の労災事故発生時に労災基準監督署の基準が厳しくなります。より詳しく説明すると、短期加入でもし事故が起こしてしまうと、加入後まもなく事故に遭っていることになります。この場合、労災適用がなくなることはないですが、保険加入直後という状況なので当然審査も厳しくなってしまいます。民間の保険会社も同じですが、非常に厳しく審査が繰り返されることになり、死亡保険と同様に念入りに調査が入ります。短期加入を繰り返すということは、労災事故時はいつも労災保険加入直後ということになるので特に注意が必要です。

結果的に保険料の支払い額が高くなる

そもそも労災保険の性質上、本来は数ヶ月程度の短期加入を前提としていません。労災保険特別加入団体は、新たに加入の申し込みをしたら年度末まで加入することを前提に労働局に届出を提出します。ですので、数ヶ月間の期限付きで加入しますという内容にはなっていません。労災保険の性質上、途中脱退が認められているだけで短期加入はそれを利用しているだけです。場合によっては、労災保険特別加入団体が年度末までの労災保険料を国に立て替え払いすることになり、例えば数ヶ月の加入でしたら通常なら、一年間に支払う保険料等の数ヶ月分の支払いで済むかと思えばそうではありません。月割で計算すると、割高で請求される計算になっている場合もあります。

元請けからの信用が得られにくくなる

労災保険に短期で加入した場合、加入者に発行する労災保険加入証明書の有効期限は本来3/31までとなっています。そのため短期間で終わるようになっているので、元請けの業者からその短期加入者の労災保険は有効なのかという問い合わせがある可能性があります。元請けからしたら当然で、工期が延びる恐れもあるのでどうしても慎重になってしまいます。建設現場で働く一人親方の労災保険加入は必須となりつつあり、この状況で短期間でしか加入しない一人親方の方は特に注意が必要です。

「労災保険」の短期加入を検討する際に知ってほしいこと

制度の仕組み上、仕事中の怪我や事故には国民保険や建設国民保険は使用できません。国民保険の財政も芳しくない昨今では、怪我の原因が労働中の災害とわかると保険給付の全額返還を求めてくるケースも少なくありません。建設業は業務の特性上、怪我や事故も発生しやすく、例年死亡を伴う事故が毎日一件以上発生しているという現状があります。一人親方労災保険と国民保険はセットで一人親方として働く以上なくてはならない命綱です。

建設業の事故は全産業でワースト1位

先程もお伝えした通り、建設業の現場は事故や怪我のリスクが常に付いてきます。労災保険未加入の方が不幸にも事故に遭われた場合、事故に遭われた当人やそのご家族、元請けの業者が労災基準監督署等に相談しても、労災保険への加入がないためその後の対応でも出来ることが限られてしまいます。期間を設けてその期間だけ労災保険への短期加入を検討されている方は、この一人親方労災保険の本来の目的とは大きくずれてしまうので注意が必要です。

短期加入を勧める団体は疑おう

本来の労災保険特別加入団体は、労災保険の普及と一人親方の福利厚生の目的の為にある団体です。ネットや広告で見かけても短期で加入すればこれだけお得ですという売り文句や、現場で限定できますといった宣伝する団体を見かけますが、一人親方のリスクは考えず利益のために活動しているパターンも多いため、特に注意が必要です。よほどの事情や目的がない限りは期間を定めるべきではなく年間を通して、労災保険という命綱を繋げておいた方がより安心材料に繋がります。

一人親方労災保険は加入しないと損

労災保険短期加入者は、実はその内訳をよく理解していないパターンも多いのですが、一人親方労災保険は国が設けた制度のため、安い保険料で保証料もそれなりに手厚い保険です。その性質上、健康保険は業務中の怪我には適用されないので、労災保険に加入していない場合の業務中の怪我に関しては全て自費での通院と治療になります。事故や怪我といったものは不測の事態として予測ができないものです。労災保険は少ない賭け金で手厚い補償が受けられる心強い味方なので、不測の事態に日頃から備えておきましょう。

おすすめの労災保険は「一人親方労災保険組合」

一人親方向け労災保険で一番おすすめなのは、業界No.1の加入者で実績豊富な一人親方労災保険組合の労災保険です。主な特徴は、以下の通りです。

  • 全国の加入組合数は90,000人と業界トップクラス
  • 月額組合費が500円と業界最安値
  • 組合員様限定の優待サービスが多数
入会費1,000円(初回のみ)
組合費500円/月

一人親方労災保険組合ではレストランやカラオケ、映画館など全国で20万ヵ所以上の施設のクーポンや割引などが適用される組合員様限定の優待サービスや友達紹介割引もあります。

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【まとめ】一人親方労災保険は短期加入できる!ただし、デメリットをよく理解して

ここまで一人親方が労災保険に短期加入する場合のメリットやデメリットをお伝えしてきましたが、改めてデメリットの面をお伝えさせていただくと

  • 短期加入を繰り返すと、むしろ支払いが高くなる可能性がある
  • 短期の加入だと労災事故の認定が厳しくなる恐れがある
  • 元請け業者から下請けを担当する一人親方の評価が厳しくなる
  • 未加入中の不慮の事故に対応できない

一人親方として活躍されてる方の多くは毎日忙しなく業務に追われていると思います。そんな方達が少しでも安心して業務に励まれるように年間を通しての労災保険への加入をおすすめするのと同時に、どうしても短期加入を望まれる方はその特性をしっかりと理解した上で、十分に検討してみてください

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