老朽橋の床版取替で耐震性と工期を両立、鹿島の新工法

道路橋の老朽化対策が全国的な課題となるなか、鹿島建設は名神高速道路(滋賀県彦根市鳥居本町)の床版取替工事において、「外ケーブル補強工法」と「UFC道路橋床版」を組み合わせた工法を国内で初めて採用しました。中日本高速道路(NEXCO中日本)名古屋支社の発注により実施された同工事での成果は、老朽インフラ更新の新たな選択肢を示すものとして注目されています。

高速道路の橋梁では、走行荷重を直接受ける「床版」の老朽化が大きな課題です。従来の鉄筋コンクリート(RC)床版から高耐久素材への取替が各地で進むなか、今回採用されたUFC(超高強度繊維補強コンクリート)は圧縮強度150N/mm²以上を誇る高性能素材です。水結合材比を約15%に抑えた配合で製造され、PC鋼材を縦横2方向に配置することで従来のPC床版より薄く・軽量に仕上がるのが特徴です。

一方でこの軽量床版への取替は、鋼桁への荷重変化への対応が必要になります。従来手法では上下フランジの増厚や補強部材の追加が求められていましたが、今回は橋桁下部に外ケーブルを配置して緊張させることで同等の補強効果を実現しました。フランジ増厚が不要になったことで上部工の重量増加を最小限に抑えながら耐震性を大幅に向上させ、工期短縮も同時に達成しています。

工事は橋長29.1m・床版44枚(上下線各22枚)の「河内橋他1橋」で、2025年6月と11月の2期に分けて施工されました。通行への影響を最小限に抑えつつ補強・取替を完了させた今回の実証は、人手不足が課題となる高速道路の維持管理現場においても広く応用が期待されます。

参考:https://www.kajima.co.jp/news/press/202604/6c1-j.htm