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建築図面の一種である立面図は、建物の外観デザインを確認するために重要な図面です。他の図面に記載されている情報と組み合わせることで、設計どおりに建物を施工できます。
立面図を作成する際に、正確に意図を伝えられるよう注意を払うことが大切です。
本記事では、立面図の概要、他の図面との違い、立面図の作成方法などを解説します。立面図について詳しく知りたい人や立面図を作成しようと思っている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
立面図とは
立面図の概要と役割を解説します。
- 立面図は設計図面の1つ
- 立面図の役割
立面図は設計図面の1つ
建物の外観を正面から2次元で描画した図面を「立面図」と呼びます。立面図は、建物のデザインを表した図面である「意匠図」の中の1つです。
立面図により、建物の外観のデザインが一目でわかります。
東西南北の四方の立面図を作成することが一般的です。多くの場合、100分の1の縮尺で描画されますが、50分の1の縮尺が用いられることもあります。
立面図の役割
立面図の役割は、建物の外観デザインを発注者や建設業者にわかりやすく伝えることです。特に以下の項目を伝えたいときに立面図が便利です。
- 建物の高さ、幅、形状
- 窓や扉などの配置
- 屋根の勾配
- 軒の出
- 建物の凹凸
- 外観デザインや設計コンセプト
記載された建物の高さや形状などは、建築基準法や消防法といった法規制に反していないかを確認するために重要です。北側の隣人の日当たりを確保するための高さ規制である「北側斜線」、道路の採光や通風を確保することが目的の高さ規制「道路斜線」などは、立面図で確認できます。
立面図とほかの図面の違い
立面図と混同されがちな「平面図」、「断面図」について解説します。
- 平面図とは
- 断面図とは
- 立面図との違い
平面図とは
「平面図」は、建物を水平に輪切りにし、上から見て描画した図面です。
「間取り図」とも呼ばれます。50分の1または100分の1の縮尺で作成されることが一般的です。
平面図によって、建物内部の間取りがわかります。部屋、窓、扉などの配置、大きさ、用途などを平面図から読み取れます。部屋、出入口、階段などの配置から、生活導線も想像できるでしょう。
また、平面図は設計図書の基本となる図面であるため、他の図面の見出しとして使われることもあります。
断面図とは
建物を垂直に切断し、断面を描画した図面を「断面図」と呼びます。縮尺は50分の1または100分の1です。
軒の高さ・軒の出、庇の高さ・庇の出、屋根の勾配、北側斜線、道路斜線といった、高さに関する項目を確認するために用いられます。小屋裏収納やロフトといった平面図では示しにくい構造も簡単に表せることが特徴です。
ただし、断面図よりも詳細に高さの情報が記載された「矩計図(かなばかりず)」が作成された場合は、断面図は割愛されます。
立面図との違い
立面図は建物の外観を正面から描いた図面、平面図は建物を水平に切った際の断面を描画した図面、断面図は建物を垂直に切った際の断面を描画した図面です。
それぞれの図面から読み取れる情報が異なります。平面図によって建物内部の間取り、断面図によって建物内部・外部の高さ情報がわかるのに対し、立面図によって建物のおおよその外観デザインがわかります。
正確に建物を建造するためには、3つそれぞれの図面から読み取れる情報を組み合わせることが重要です。
立面図の作り方
立面図の作成方法と、作成するときの注意点を解説します。
- 立面図の書き方
- 立面図を書くときの注意点
立面図の書き方
以下の手順で立面図を作成することをおすすめします。
- 地盤面(略称GL:Ground Line)を引く
- フロアライン(略称FL:Floor Line)、軒高、窓の高さといった基準線を引く
- 壁や屋根といった建物の輪郭を描画する
- 窓や扉といった開口部を正確な寸法・配置で描画する
- 外壁や屋根といった外装の材質、模様、色などを指定する
- 各部位の寸法を記載する
- 図面の方位や縮尺を記載する
東西南北のいずれも上記の手順で作成できます。
立面図を書くときの注意点
立面図を作成するときは、以下の項目に注意を払いましょう。
- 寸法は正確に記載する
- 色彩などを具体的に記載する
- 周辺の環境を簡略化して記載する
それぞれの内容を解説します。
寸法は正確に記載する
立面図を作成するときの注意点に、寸法を正確に記載することが挙げられます。
寸法に誤りがあると、施工時に問題が発生するかもしれません。施工し始めてからの図面修正には手間がかかり、施工の遅れにもつながるので、正確に寸法を記載することが大切です。
また、同じ部分の寸法を1つの図面にまとめて記載して、わかりやすく伝えることも重要です。
色彩などを具体的に記載する
色彩や模様などを具体的に記載することも、立面図を作成する際に大切です。
具体的に色彩、模様などを記載することで、建物の完成形をイメージしやすくなります。
ただし、あまりにも凝った表現をすると、施工に必要な情報を読み取りにくくなるかもしれません。各部の寸法や位置といった重要な情報が隠れないように注意しましょう。
周辺の環境を簡略化して記載する
立面図を作成する際に、可能であれば周辺の環境を簡略化して記載しましょう。
隣の建物や植栽といった周辺の環境を記載することで、さらに建物の完成形をイメージしやすくなります。
ただし、周辺の環境を直接施工するわけではありません。あまりにも凝った表現をして図面の大切な情報が見づらくなっては本末転倒です。周辺環境を描画する際は、簡略化して記載しましょう。
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【まとめ】立面図は建物の見た目を伝える図面!作り方をよく知って適切に表現しよう
立面図の概要、他の図面との違い、立面図の作成方法などを解説しました。
立面図には、建物の外観デザインを発注者や建設業者に伝える重要な役割があります。平面図や断面図などの図面と組み合わせることで、建物の全体構造を正確に把握できます。
正確に寸法を記載することや、周辺環境も簡略化して記載することなどを意識して、わかりやすく表現することが大切です。
ぜひ本記事を参考に、立面図の作成方法を把握し、立面図を適切に扱いましょう。
建設CADや実施設計図・断面図についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。


