建設業で専任技術者を変更する時の手続きは?必要書類や注意点を解説

建設業の現場では、専任技術者の急な退職や病気などにより、専任技術者が不在になる場合もよくあります。しかし、建設業許可を持っている場合、専任技術者の配置は必須になるので、速やかに新しい専任技術者を配置しなくてはいけません。建設業を営む方の中には、専任技術者の変更手続きや必要な書類がよく分からないという方もいるでしょう。そこで今回は専任技術者の変更手続きの方法、必要な書類、注意点を解説します。後任が見つからない場合の対処方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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建設業の専任技術者とは?

建設業の専任技術者は、建設工事について請負契約を適正に締結し、履行する役割を担う技術者を指します。建設業許可を取得するためには、専任技術者を設置することが、建設業法第7条第2号、同法第15条第2号で規定されています。営業所に常駐する必要があり、工事現場で働くことは基本的にありません。専任技術者が退職や異動などで営業所からいなくなると、建設業許可を維持できなくなります。新たな専任技術者を速やかに設置し、専任技術者が誰もいない状況を避けましょう。

建設業の専任技術者を変更するケースとは

何らかの理由で、建設業の専任技術者を変更するケースがあります。専任技術者が怪我や病気で働けなくなった、亡くなられた、結婚や出産で休職または退職したなどにより、専任技術者の変更が必要になるケースは珍しくありません。また、事業拡大に伴い、新設する営業所に新たな専任技術者が必要になった場合も、変更に該当します。前述したように、専任技術者が不在だと建設業許可を取得・維持できないので、速やかに新たな専任技術者を設けなければなりません。

建設業の専任技術者の変更の3つのステップ

建設業の専任技術者を変更するステップは以下のとおりです。

  1. 変更届出書を作成する
  2. 必要書類を収集する
  3. 許可行政庁へ提出する

それぞれの内容を解説します。

1.変更届出書を作成する

専任技術者の変更があった場合、変更届出書を作成し、提出しなければなりません。変更届出書は、管轄の行政庁のサイトでダウンロードできます。様式第22号の2の変更届出書を入手してください。変更届出書の「届出事項」、「変更前」、「変更後」の欄に、変更内容を記載します。例えば専任技術者を別の人と交代する場合は、届出事項欄に「専任技術者の変更」と記載し、変更前欄に前任者の氏名、変更後欄に後任者の氏名を記載します。ほかにも、建設業許可番号、許可取得年月日、法人番号、商号、所在地などの記入が必要です。

2.必要書類を収集する

変更届出書と共に、いくつかの書類の提出が必要です。変更の内容によって、必要な書類は異なります。新たに専任技術者を設置する場合は、建設業取得時と同様に、資格、指定学科の卒業、実務経験を証明する書類が必要です。以下のケースごとに必要な書類を解説します。

  • 専任技術者を別の人と交代する場合
  • 専任技術者を変更するが、後任がいない場合
  • 専任技術者の名前を変更した場合
  • 専任技術者を追加した場合
  • 専任技術者の取得資格や担当業種を変更した場合
  • 専任技術者が所属する営業所を変更した場合

専任技術者を別の人と交代する場合

専任技術者を別の人と交代する場合に必要な書類は以下です。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)
  • 専任技術者証明書(新規・変更)(様式第8号・項番61は「4」)
  • 後任の専任技術者の常勤性が確認できる書類(住民票の写しや健康保険被保険者証など)
  • 後任の専任技術者要件が確認できる書類(保有資格や実務経験の証明ができるもの)

専任技術者を変更するが後任がいない場合

専任技術者を変更するが、後任がいない場合に必要な書類は以下です。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)

後任がおらず、営業を続けられない場合、後述するように廃業届の提出が求められます。一部の業種を廃業する場合は、届出書(省令様式第22号の3)と廃業届(省令様式第22号の4)が、すべて廃業する場合は廃業届(省令様式第22号の4)のみが必要です。

専任技術者の名前を変更した場合

専任技術者の名前を変更した場合に必要な書類は以下です。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)
  • 専任技術者証明書(新規・変更)(様式第8号・項番61は「3」「4」)※専任技術者証明書は、旧氏名の削除用と新氏名の追加用の2枚が必要
  • 氏名の変更が確認できる書類(戸籍抄本、住民票など)

専任技術者を追加した場合

専任技術者を追加した場合に必要な書類は以下です。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)
  • 専任技術者証明書(新規・変更)(様式第8号・項番61は「3」)
  • 追加した専任技術者の常勤性が確認できる書類(住民票の写しや健康保険被保険者証など)
  • 追加した専任技術者要件が確認できる書類(保有資格や実務経験の証明ができるもの)

専任技術者の取得資格や担当業種を変更した場合

専任技術者の取得資格や担当業種を変更した場合に必要な書類は以下です。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)
  • 専任技術者証明書(新規・変更)(様式第8号・項番61は「2」)
  • 変更のあった資格や担当業種に関する専任技術者要件の確認書類(保有資格や実務経験の証明ができるもの)

専任技術者が所属する営業所を変更した場合

専任技術者が所属する営業所を変更した場合に必要な書類は以下です。

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)
  • 専任技術者証明書(新規・変更)(様式第8号・項番61は「5」)

3.許可行政庁へ提出する

すべての書類が揃ったら、管轄の建設業許可行政庁に提出します。窓口への持参だけでなく郵送でも提出可能です。ただし、後述するように変更届の提出期限があります。期限切れ間近の場合、郵送では手続きが間に合わないかもしれません。期限切れが近づいている場合は、窓口に赴いて直接提出しましょう。また、郵送の場合、管轄の行政庁ごとに提出ルールが異なります。例えば東京都の場合は、建設業許可申請送付票兼審査票と、副本返信用のレターパックの同封が必要です。各行政庁に問い合わせて、郵送方法を確認しましょう。

専任技術者の変更時の注意点

専任技術者の変更にはいくつか注意するべき点があります。

  • 建設業の専任技術者の変更届は14日以内に提出する
  • 建設業の専任技術者の変更を忘れると罰則がある
  • 専任技術者がいない期間がないようにする

それぞれの内容を解説します。

建設業の専任技術者の変更届は14日以内に提出する

専任技術者の変更届は、14日以内に提出しなければなりません。変更届自体は1日あれば十分作成できますが、卒業証明書の原本や被保険者記録照会回答票といった添付書類の準備に時間がかかることがあります。後述するように、期限内に変更の届出をしないと、罰則が科される可能性があります。変更の発生が事前に判明している場合は、実際に変更が発生する前に変更届の準備を始めましょう。突然の変更の場合は、即急に準備し始めてください。

建設業の専任技術者の変更を忘れると罰則も

専任技術者の変更の届出をしないと、罰則が科されるかもしれません。変更の届出を怠った場合には、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科されると建設業法第50条に規定されています。専門技術者を配置せずに一式工事をした場合、建設業法第52条により、100万円以下の罰金が科されます。罰則を免れても、建設業許可の更新時に変更が発覚した場合、更新ができません。変更届を漏れなく申請してから改めて更新手続きをしなければならず、更新期限が切れる恐れがあります。

専任技術者がいない期間がないようにする

前述したように、専任技術者がいないと、建設業許可を維持できません。専任技術者がいない期間がないように注意してください。専任技術者がいないまま営業を続けると、発覚した際に罰則が科されたり、建設業許可の更新ができなくなったりします。代わりとなる専任技術者がいる場合、前述したように変更届を提出し審査を通過すれば、問題なく建設業許可を取得し続けられます。代わりとなる専任技術者がいない場合、異なる対応をしなければなりません。以下に解説します。

代わりとなる専任技術者がいない場合の対応

どうしても代わりの専任技術者が見つからない場合は、専任技術者不在の旨を記載した届出書を管轄行政庁に提出します。専任技術者が不在となってから14日以内に届出してください。建設業許可を維持できなくなるため、廃業届を提出するよう指示されるでしょう。廃業届が受理されても、事業は続けられます。建設業許可が必要な工事は請け負えませんが、必要でない工事は請け負えます。また、専任技術者が見つかれば、すぐに建設業許可を再取得可能です。専任技術者が不在のまま廃業届を提出せずに営業を続けると、発覚した際に建設業許可を取り消され、さらに5年間取得できなくなります。

建設業許可なしで工事を行ったときの罰則や罰金

建設業法で定められた、建設業許可が必要な工事を、許可なしで行った場合は法律違反となるため、罰則や罰金が科されます。
建設業法の違反に対しては、その犯した違反の程度に応じて様々な罰則が課されます。そのなかでも無許可で工事を受注した際には「300万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役」という最も重い罰則が科されますので注意が必要です。
以下の記事では、実際に無許可で工事を請負い逮捕された事例なども詳しく紹介していますので、必ず目をとおしておきましょう。
建設業許可なしで請負うとバレる?建設業許可なしで行ったときの罰則や罰金などを解説

【まとめ】建設業で専任技術者の変更の際、届け出の提出は必須!

専任技術者の変更手続きの方法、必要な書類、注意点を解説しました。専任技術者が不在のままだと建設業許可を維持できないので、速やかに後任の専任技術者を設置し、変更届を提出しなければなりません。専任技術者が不在のまま営業を続けると、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。後任が見つからない場合は、廃業届を提出することで、建設業許可の再取得がスムーズにできます。専任技術者に変更があったときは、ぜひ本記事を参考にして、適切に手続きをしてください。

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